進化した〝王道〟
現在主流となったLoop900やLoop1080、国産メーカーのルーピング機種たちの裏に隠れてしまいがちになりながらも、その実は高い性能を秘める、言わば「隠れ名機」的な2A機種です。前身となるサンセットトラジェクトリーNXGからレスポンスがスターバーストへの変更という無難な仕様にはなったものの、ジャム小径ベアリングという「こだわり」を捨てずに、レイダー系ボディ機種のポテンシャルを別の次元へ進化させているところが素晴らしい。捻るだけでのギャップ調整機構も先駆はヨーヨージャムであっただけに、絶妙なギャップ幅を簡単にベストなコンディションにできるあたりも2A機種として実に嬉しいポイントです。普通よりも高めのスターバーストは一見して戻りの良さだけが取り上げられがちですが、やや緩めのギャップにすれば掛け系トリックも難なくこなせます。それでいてルーピングの軽快さも両立できているあたり、このスターバーストの高さはしっかりと計算された上での仕様なのだと頷けます。サンセットトラジェクトリーNXGをお持ちの場合は半々にすることで、ストリングトリック機種ではとうに廃れてしまった、いわゆるハーフスターレスポンスにも変更が可能です。スターバースト×Oリングという普段と異なった感触を楽しむこともできます。リリースされてからすでに数年が経ちますが、今なお現行の優れたルーピング機種たちとタメを張れる真価を持っている、そんなヨーヨージャムを代表する2A機種です。