5Aの新たな可能性。
5A、すなわちカウンターウエイトスタイルにおいて特殊なプレイを行うことのできる、ダンカン謹製の新たなダイスです。ダブルダイスはかつて「アストロ」と呼ばれており、スキルトイのアストロジャックスから引用された、さらにトリッキーなプレイスタイルです。二つのダイスがストリング上で独立して動くことで、従来の5Aでは為しえなかった技が可能となります。カウンターウエイトを初めに普及した草分け的メーカーであるダンカンがこのアイテムをリリースしたことも大きな意味を持つと思います。ウエイトがひとつ増えることで、通常の5Aよりもなお全体的なコントロール力が必要となりますが、すでにアストロジャックスを嗜んだことがある方には、その応用からいろいろな技の着想を得られる楽しみもあります。大まかな形状はキャンディーダイスを踏襲しており、正六面体でありながら角の部分を丸く削ることで、ヒットの際の痛みを軽減する工夫もなされています。外側のダイス(アウターダイス)と内側のダイス(インナーダイス)の分離と装着もスムーズにできるよう設計されており、ストレスなくダブルダイストリックをプレイできます。それぞれのダイスの重さも均等にしてあるとのことで、動かしている最中の違和感もありません。通常の5Aプレイの途中で、いきなりダブルダイストリックを見せれば、観客の意表を突くことも大いに可能でしょう。そうした意味ではショーなどにも向いているアイテムだと思います。ひとつ難点があるとするなら、ストリングに付ける際に慣れていないと難しい、という点でしょうか。自分はアウターダイスの外側に通したストリングの先を結び、そのすぐ下に小さなナット(今回はループアップのギャップ固定用ナットを使わせていただきました)をくくりつけて固定し、アウターダイスもストリングの上を移動できるようにしました。基本的にインナーダイスがきちんとスライドすれば問題ないので、アウターダイスの取り付け方は自由でいいかと思われますが、ダブルダイスプレイそのものに支障を来さないよう気をつける必要はあります。以前までは興味のある少数のプレイヤーが独自のやり方でやるしかなかったこのプレイスタイルに、こうしてスポットライトが当たると誰が予想したでしょうか。今やマイナーもいいところであったダブルダイスが、現在になり敷居を低くして、再び門戸を開きました。ヨーヨーのスタイルの新たな可能性を切り開く、〝ダンカンからの新提案〟と言えるでしょう。