「遊び」と「競技」の境界線
自分はプラヨーが好きだ。やはり第一期ハイパーヨーヨー勢としてファイヤーボール、レイダー等に触れてきた延長線としては当然だと思うのだが、メタル全盛期の今でもやっぱり興味は尽きないし、新機種が出れば欲しいというのが実情だ。そんな中で前々から買える位置にありながら買わなかった機種がある。このビッグファンだ。フリーハンドネクストジェンは機会を逃して長らく買えなかったが、こっちはずっとありながら買うのを躊躇していた。というのも、ここ数年のプラヨーはなんだかんだ「カジュアルさ」「気軽さ」「初心者向け」を謳いながら競技にも通用する性能を持ち、非常に偏見ではあるがカッコいい機種が多い。プラヨーとはいえ侮れないのだ。それに対してビッグファンは、これまた非常に失礼だが「おもちゃっぽさ」が拭えない感じがする。要はデザインの問題である。しかし食わず嫌いならぬ振らず嫌いはいけないと思い、意を決して買ってみた。結果、やはり自分の振らず嫌いだというのを痛感したわけだ。振ってみると、ダンカンのプラヨー恒例(?)の「思ったより良く回る」感触だった。ネクストジェンの時もあったが、向こうは大きさこそ普通で幅を狭くすることで回転を稼いでいたが、こっちは幅こそ普通だが直径をかなり大きくすることで回転を稼いでいる。大きいのに軽くて動かしやすいフィーリングは中々に面白く、最近のメタル・プラヨーどちらでも感じられない独特さがある。プラヨーの中でも変わり種で、前述した近代のプラヨーの中では浮いた存在かもしれない。でも、元々ヨーヨーはおもちゃである。競技用ヨーヨーだってヨーヨーには変わりないんだか結局はおもちゃだ、というと乱暴な物言いになってしまうが、少なくとも今のヨーヨーは余程意図的に作らない限り競技用の性能を有している。ビッグファンもその例に漏れない。個人的にネクストジェン以上に「競技用ヨーヨー」と「遊び用ヨーヨー」という曖昧な境界線の上に位置するビッグファン。ダンカンの遊び心が詰まったこのヨーヨーをどう見るかは持った人次第。