競技ヨーヨーとは別物。あくまで「遊ぶため」のヨーヨーと割り切るべし
このレビューを書いている時点で三種類のハイパーヨーヨーアクセルが発売したわけだが、今更ながら簡素なレビューを書こうと思う。ちなみに自分は第一期ハイパーヨーヨー世代で2020年復帰した次第である。 第一期世代からするとアクセルが発売するという情報が出た後は練習会にて同世代の人たちと様々な憶測・予想をしたものだった。大方不安な予想が多かったが、実物を振ったら見事にそれは杞憂に終わった。重量はプラヨーでもかなり軽め。本来60gを切れば相当軽い部類だが56gは最早回るかどうか怪しいと思うレベル。形状は所謂ラッセル形状で、ボディが二段になっており、外側がハブスタック部分のクリアーカバーになっている。ラッセル形状なので勿論有効幅は無いに等しく、トラピーズやアトムマウントすら一苦労。スターバーストは現代のルーピングヨーヨーに比べると突起が低め?だと思う。それ故か、戻りはどちらかと言うと悪め。ワンスターや現代の引き戻しヨーヨーに慣れていると少しストレスに感じるだろうか。アクセルヨーヨー共通ではあるが、戻りの強さはストリングの太さではなくヨリの強さにかなり依存しており、KストXLでも通常のヨリだとそこまで戻りが強くないが、たとえKストノーマルでもギチギチによった(糸がたるむとダマになるレベル)状態だとルーピングヨーヨー並にすぐ戻ってくる。なのでルーピングには不向き。無理矢理ループはできるが、ストリングを短くしても戻りが不安定なので非推奨。裏技として、練習会の人がやっていたのはルーピング用のスーパースリムストリングで二重巻きにする方法だった。これだとヨリを気にせず程よい戻りを実現。ただし公式のストリングでない故障はバンダイ側が受け付けないので自己責任で行う事。そういう自分もKストファットを使っているが・・・ベアリングはサイズAでいわゆるダンカンサイズ。フリーハンドが代表作だろう。昔のレイダーはサイズEなのでそれに比べると大径化している分、軽い割にはそれなりに回ってくれる。それでもワンスターやサクラストリームのざっくり7~8割くらいの回転力だろうか。最大の特徴であるアクセルシステムは競技ヨーヨー界でいうハブスタックではあるが、従来のハブスタックに比べるとかなり大型化しており、子供や女性でも持ちやすくなっている。ベアリングの精度も良く、両面とも滑らかに回ってくれる。余程酷い角度で何度も落としたり酷使しない限りはベアリングがガリったりはしない。それこそリワインドの皆さんレベルで技開発を数日続けるくらいの酷使でなければ大丈夫。むしろストリングの強度の方が不安で、競技ヨーヨーに慣れている人だと子供(小学校高学年レベル)でも全力で引っ張ると根本から千切れることが何度かあった(発売前の試供品をリワインド本社内で使っていた時に確認)。恐らくポリ100%よりも50/50の方が切れ辛いかもしれない。そのあたりは要検証。 さてここまで使用感やスペック・気になる点をざっと上げてきたが、自分が言いたいのは「遊びに振り切ったヨーヨー」であることだ。他の方のレビューでもあるが、いい意味で「おもちゃ」のヨーヨーなのである。ただ手に持って無心にビュンビュンしているだけでも面白いし、アクセルシステムを使っての技開発もあり。それこそリワインドの皆さんが動画でもやっていたように使い方次第では技は無限大に増える。岩倉さんレベルだとそれこそちょっとしたパフォーマンスにすら使えそうな動きも可能。また他のウイング・ラウンドに比べてハブスタックのボディ部分が大きい(段差がある)ので持てる部分も大きく、他二種に比べてアクセルシステムを使う技に関してアドバンテージが合ったり他の道具との親和性が高かったりする。ヨーヨーとしての性能は他二機種には劣るかもしれないが、遊ぶ点に関しては恐らく他二種に比べて勝っていると思われる。それでいて値段は驚異の2000円。アクセルシステムの影響でベアリングを三個も使っていてこの値段。競技ヨーヨー界なら頑張っても4000円切れればいいくらいなのにこの値段は破格も破格。流石は天下のバンダイである。何というか、三種類発売している今だからこそ言えるが、ヨーヨーの性能を度外視するとアクセルシステムの完成度はオリジンが一番だと自分は思っている。やれるトリックなんて第一期のベーシックレベル程度だが、頭を空っぽにして振っているだけで楽しい。発売前の練習会での不安な予想であった「競技ヨーヨーとハイパーヨーヨー(遊び用ヨーヨー)の境界」を上手く取り入れた・分けたなと感心する。全くヨーヨーを知らない初心者に薦めてもよし。子供のヨーヨー入門に渡すもよし。競技ヨーヨー経験者が癒しを求めて買うもよし。過去のハイパーヨーヨー経験者がこれを機に復帰する口実に買うもよし。リワインドでは後期の三カラーしか扱っていないが、ビックカメラやヨドバシ・トイザらスなどの量販店に行けば大抵初期カラーが残っているので気になるカラーがあるなら探してみよう。気になったら是非買ってみるのをオススメする。